秋の句1・俳句百景(富澤秀雄句集)

autumn

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001 黒葡萄ノブの孤独に突きあたる
002 草の花 少年Aという符号
003 柱にも梁にも遊び 萩の風
004 風来たらコスモス言葉で話そうよ
005 夕波に 愁思の礫投げ入れる
006 秋の暮どこか殺意の砂時計
007 草の絮水平線のたじろがず
008 涙にもいくつか道筋 銀杏もみじ
009 胸の内見透かすように猫じゃらし
010 図面引くその線上の秋の暮
011 毬栗の爆ぜて 現在 過去 未来
012 いじめっ子 いじめられっ子 曼珠沙華
013 爆破ビル 導線を張る蔦紅葉
014 蟋蟀が鳴くから残すパンの耳
015 わが胸に鱗粉こぼす 秋の蝶
016 新涼のキュッと鳴らして 靴を選る
017 食パンの歪み始める ダリの午後
018 賢治の忌 ナリタイ人ニモナレナイデ
019 天高し梯子を増やすあみだくじ
020 踏み入れば退路絶つかに 曼珠沙華
021 隠し絵のキリンをさがす 黄落季
022 晩秋のギブスの指の覚めており
023 こぼれインク ロールシャッハの紅葉とも
024 雌鳥がしきりに鳴く夜 木の実落つ
025 野外劇 ト書きあるかに紅葉散る

 

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