祝をテーマにした俳句(厳選三句)

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もし鴎なら セーヌ飛ぶ 黄河飛ぶ 三樹彦

師、三樹彦の第3回「現代俳句大賞」の受賞が決まり、3月29日の現代俳句協会の総会で表彰されることになった。三樹彦は、十三歳(昭和8年)より俳句を始めた。当初は岩田笛秋の俳号であり、昭和12年に、現在の三樹彦に改めた。従って、俳歴70年余になり、その間軍隊の体験があるのに係わらず、俳句の空白期間がないという。現在もそのエネルギーは衰えることなく、フットワークが軽い。掲句も、その前向きな姿勢が顕著に出ている。鴎になって、パリにもt中国にも飛んで行きたいと思っている。事実、毎年海外に吟行に出かけて、写真を撮り併せて俳句を作る「写俳」を試みている。この句は、青玄2月号(通巻575号)より引いた、伊丹三樹彦の句。

腸の先ず古び行く揚雲雀 耕衣

先頃、耕衣の一万句より選び出した、「永田耕衣句集」が坪内稔典編で刊行された。稔典はあとがきの解説の中で、代表句してベスト5を選び出している。掲句は、その中の1句。その鑑賞文で、「揚雲雀の腸をクローズアップしたのは読者の意表を突く。今までだれが、空でさえずる雲雀の腸が古びて行く、なんて思っただろう。もちろん、そのように思ったことで、揚雲雀は急にその存在感が生々しくなったのである。」と書いている。へーなるほど、私など、そうゆう風な読み取れなかったので、奇怪な俳句と思っていたが、改めてこの句見ると、面白くなって来た。この句は「吹毛集」(昭和30年)に収録されている。

もやっと海 じわっと別離 白木蓮 敏樹

敏樹が古希記念に1月20日句集「デ・キリコの箱」が刊行した。自らのパソコンと本棚とベットのある6帖間を「アトリエ駅舎」と称するぐらい、俳句を楽しんでいる。掲句だが、「もやっと」「じわっと」のオノマトペを上手く生かして、海と別離に表情と奥行きを与えている。先頃、青玄ネット句会で「オノマトペ」が俳句や短歌にいつ頃から取り入れられたか?また、その言葉のルーツは?等が話題になり、論議の的になった。古くは万葉集、古句では、一茶などに見られるようだが、その頃はオノマトペとして、文学的に意識して用いたのではなく、体で体感したものから出た言葉、即ち擬態語であったようだ。この句は、青玄無鑑査同人、中田敏樹の句。

 

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