春の句1・俳句百景(富澤秀雄句集)

spring

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001 白梅に 無垢の心を今は持つ
002 校庭に カナ文字遊び 飛花 落花
003 立秋の 壊れた壺の中に水
004 さよならは唐突 春の避雷針
005 啓蟄の喉のささった魚の骨
006 梅日和 誰かがきっと猫になる
007 梅の花 坂の途中の胸騒ぎ
008 さくらさくら 合わせ鏡の中の妻
009 ジギタリス 更紗縮れを嘆く午後
010 血管の透けて見える日 梅ひらく
011 レタス食む 幸せ色ってうすみどり
012 青空をくすぐる枝先 梅真白
013 春愁の言葉の出口 雨模様
014 啓蟄のシャツのはみ出す脱衣箱
015 たんぽぽの出会いの序章 私小説
016 さよならの後のブランコ揺れていた
017 花の種蒔いて 日暮の別の顔
018 春惜しむ 話は芭蕉からチャタレーへ
019 夕暮れの水辺に垂らす 五月の足
020 日時計の針になる僕 春立つ日
021 バラの芽の充血 目薬 滴 滴 滴
022 浚渫の砂山くずれ 頭痛の日
023 かげろえば古代魚泳ぐ街となる
024 シャガールの空まで伸ばすキリンの首
025 永き日の犀はひとつの岩になる

 

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