冬の句1・俳句百景(富澤秀雄句集)

winter

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001 山茶花の今日も白紙のメッセージ
002 船乗りの夢もときどき寒卵
003 寒牡丹 今日は無帽の僕でいる
004 咳ひとつ許さぬ気迫 冬木立
005 まどろみの深さのほどの雪の嵩
006 冬日晒しの石棺 木々もまた裸
007 片隅に今日の寒さの鉄亜鈴
008 親指の野望太らす冬の月
009 これはこれ あれはあれとし 冬の草
010 死者の目が背中に痛い寒の菊
011 余震なお犬より怖じる 寒椿
012 蜘蛛の囲にマリオネットの落葉の手
013 手紙裂く 金属音の冬の月
014 寒月の中より兎掴み出す
015 大根は短編小説 下ろし金
016 寒林檎割って明日を晴にする
017 指笛で呼ばれる犬の大枯野
018 日向ぼこ猫とわたしと文庫本
019 直線に歩いてばかり十二月
020 恐竜の卵かがやく雪の朝
021 この丘の枯れ木に疑問符懸けておく
022 包まって毛布に五感 夜想曲
023 カタカナに結氷 ひらがなに氷解
024 月よ日よ 爪先立ちの枯木たち
025 鴨になった顎突き出して 後ろ手して

 

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