冬の句3・俳句百景(富澤秀雄句集)

winter

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051 蕪引いて穴に気だるい午後がある
052 白息の少年朝を連れてくる
053 解熱剤こぼした朝の大寒波
054 紙カイロの有効期限 世紀跨ぐ
055 紐引いて雪降らせる役 近松忌
056 寒ゆるむ真空パックの袋破れ
057 眼鏡のつるの形状記憶 戻り寒
058 肋骨の鉄橋渡る冬の列車
059 干し大根ドガの踊り子いるような
060 ホームレスの宿は方舟 落葉の海
061 餌貰うライオン 足下に冬の蟻
062 フラミンゴの足は日時計 冬あたたか
063 冬の蝿忘れ物でもしたように
064 煮凝りにダリの時間を閉じ込める
065 うす氷 太宰治の頭痛めく
066 日に透かす氷片 少年の日の恋だな
067 鮟鱇鍋 骨を残して話果つ
068 落葉踏むツボの集まる足の裏
069 裸木はイエスの化身 風の街
070 歌留多読む 紀貫之の声借りて
071 マンモスの声聞きたくて つらら折る
072 凍てる夜をばさばさ畳む新聞紙
073 水鳥はソロバン並び 午後三時
074 焚火囲む 饒舌の手 寡黙の手
075 初凩右京区木屋町通り上ル

 

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