俳句用語集(か行)

か行 ──

回文俳句

上から読んでも下から読んでも同音となる俳句。
<例>松の戸や春を薫るはやどの妻」(子規)

軽み

芭蕉が唱えた、一句の中にあらゆる概念を排除して平淡でかつゆるみのない俳句表現。
また言葉そのものに自然を見出そうとした運動でもある。後に、山本健吉は
発句の方法論ではなく、その「生き方」して捉えるべきだと論を展開した。

季重なり

一句の内に季語が二つ以上あることを季重なりという。
一句の中に季語となる言葉が二つ以上あってはいけないのは、俳句の中心となるべきものが分散してしまい、ぼやけるからだと言われている。

季題趣味

河東碧梧桐と高浜虚子の俳句観の違いを捉えて言われる用語。季語の本意、本情を重視した、虚子に対して俳句の変革を目指す碧梧桐は、本意より作者の実感を重んじた。

客観写生

正岡子規が洋画の写生を俳句に取り入れ、俳句の方法として写生を確立したが、
虚子の説いた「主観の涵養」を、尊重するあまり、月並み俳句が生み出されるのを危惧して、主観主情を廃して、対象を写し取る句法「客観写生」を説いた。

句合わせ

句相撲とも言われているもので、相撲の取り組みのように左右に句を合わせて、その優劣を競うもの。子規も盛んに楽しんだようで、「四季句合五十番」がある。

草の芽俳句

虚子が自ら提唱する客観写生に対して、秋櫻子と素十の俳句を比較して、素十の俳句がその実を表現して、優れていると評した。そのことに端を発して、秋櫻子が「甘草の芽のとびとびのひとならび」(素十)の句を引用して批判したのに由来して、硬直的な客観写生俳句を揶揄して、発せられる言葉。

句またがり

俳句は五七五の文節を基本とするが、読み的にも意味的にも他の文節まで、またがって詠まれるもの。そのことにより、定型を破ることにより句に屈曲感を生む。
「鶯の啼き誤ちてより啼かず」(鷹羽狩行)などがある。

景物

「日本人の風雅(文芸・芸術)で、とくに重んじられてきたのは五個の景物であり、それを中心として和歌の題がとりまき、その外側に連歌の季題がある。さらにそのまわりに俳諧の季題、もう一つ外側に俳句の季題があり、さらに一番外側には現実の季語がひしめきあっている」山本健吉(季語の年輪より)に語られているように、雪、月、花、紅葉などを言う。

結社

主宰の提唱する理念に基づいて、継続的に作品を発表したり、研鑽する場を持つ団体。明治時代には、「○○会」などと称されたものが、現代では結社と呼ばれ、その数は、1000以上ある(俳句年鑑)。

兼題

席題(当日出される題)に対して、句会に先立って出される題。即ち兼日の題の意味。兼題は、嘗ては季語を題とされたが、現代では季語以外の言葉も出される。

高原俳句

水原秋櫻子の印象派風の高原俳句に言われるように、高原の景物を詠んだ俳句。特に、堀口星眠らによる、軽井沢に遊んだ際の作品群に代表される。

口語俳句

定型を重視する文語俳句に対して、話し言葉で書かれた俳句を指して言う。明治時代に河東碧梧桐の定型への疑問から生じた、新傾向俳句にその源流が見られる。

構成俳句

物と物と組み合わせて、新たな意味を生み出す、芸術理論即ちモンタージュの方法を俳句に取り入れたもの。山口誓子が、積極的に「写生構成主義」を提唱した。

滑稽

「俳諧」という言葉と同義。直言的な批判ではなく、俳文学の根本となる機知やユーモアを効かせた俳句作法。

 

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