未来句宣言


  < 不思議な季語 >の巻

俳句には、不思議な季語(季節を表す言葉)がある。春の季語だけを採り上げても、「龍天に登る」「鷹化して鳩と為る」「山笑う」などがある。
「山笑う」と言われても、俳句をやっていない人には、理解できない。「山が笑うって、何だか気持ち悪い」とか「山が笑ったら、やかましい」なんて、言われそうだが、ちゃんと季語には根拠がある。
「山笑う」の出典は、中国の宋代のころの画家郭煕の「春山淡冶して笑うが如く」にあるという。
即ち、山の木々が次第に木の芽が立ち、光を帯びると笑っているようだと比喩したのを季語としたものだった。
因みに、「龍天に登る」だが、龍は当然、想像上の動物であることは、誰も知っている。あの、絵に描かれた龍は、中国の後漢(2世紀)の時代には、龍の体の、角は鹿、頭はらくだ、眼は鬼、耳は牛、うなじは蛇、腹は蜃、鱗は魚、爪は鷹、掌は虎からきているという説から、その姿を想像して頭には二本の角、耳のある長い顔で、長い髭(ひげ)をはやし、大蛇のような長いからだに四本足で、前足には宝玉を持っている、といった姿としたのだろう。
そんな姿から「龍は春分ニシテ天ニ登リ、秋分ニシテ淵ニ潜ム」(説文解字より抜粋)とした、中国らしい発想を取り込んで季語とした。
 

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