俳句百景 - 秋の句

富澤秀雄句集

秋の句4・俳句百景(富澤秀雄句集)

076 丸木橋渡れば茸の顔になる 077 馬の背に止まって錆びる秋の蝶 078 月光を泳げば母の匂いして 079 船底のカーブゆるやか秋の雨 080 カステラ切る地質学者の貌をして 081 虫の闇 体温計がピピッと鳴く 082 秋空の雲の学...
富澤秀雄句集

秋の句3・俳句百景(富澤秀雄句集)

051 がちゃがちゃ鳴くから鋏錆びてくる 052 いわし雲 尾びれ背びれを忘れての 053 柿日和ゆらゆら少女の一輪車 054 原子炉を遠巻きにして 曼珠沙華 055 割れ石榴 救急箱に止血剤 056 風化した遺跡さながら 駱駝座す 057...
富澤秀雄句集

秋の句2・俳句百景(富澤秀雄句集)

026 日時計になれず鶏頭暮れてゆく 027 マルコポーロの海図開けば鰯雲 028 飛蝗とぶ ジャンボ機脚を折りたたむ 029 ピエタのように 日暮のコスモス抱き起こす 030 生地選る妻 月に指先湿らせて 031 草の花 内ポケットは秘密...
富澤秀雄句集

秋の句1・俳句百景(富澤秀雄句集)

001 黒葡萄ノブの孤独に突きあたる 002 草の花 少年Aという符号 003 柱にも梁にも遊び 萩の風 004 風来たらコスモス言葉で話そうよ 005 夕波に 愁思の礫投げ入れる 006 秋の暮どこか殺意の砂時計 007 草の絮水平線のた...