厳選三句

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春をテーマにした俳句(厳選三句)

春風に此処はいやだとおもって居る 澄子 「じゃんけんで負けて蛍に生まれたの」(句集 空の庭)の句を、眼にしてより澄子の平易な表現で、しかも意外性のある作風の虜になった。掲句も、およそ「いやだ」という風な、感情語を入れる事は、俳句の禁じ手。で...
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赤ん坊をテーマにした俳句(厳選三句)

赤ん坊に太陽が来る髭が来る 三樹雄 この間、大江健三郎の『二百年の子供』(中央公論社)、という本を読んだ。「いま」という事をテーマに健三郎、初めての珍しいファンタジー。帯文の中で、「私たちは(子供から老人まで)いまという時を生きています。私...
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梅をテーマにした俳句・その2(厳選三句)

梅にほうほうと男 あらあらと女 三樹彦 物を見て思わず発する、感動の言葉(感動詞)にも、男と女の区別があるようだ。小説の男女の会話に中に、巧みに取り込まれていて、それぞれの場面を盛り上げる要素になっている。いまは、言葉の乱れがあり男ことば、...
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家をテーマにした俳句(厳選三句)

石の家にぼろんとごつんと冬が来て 窓秋 この句を見て、「北の国から」の主人公の黒板五郎(田中国衛)が、丸木の家に続いて建てた石の家を思い出した。いまは、「北の国から」のロケ地の観光コースがあり、石の家が見られるという。一度行って見たい気もす...
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耳をテーマにした俳句(厳選三句)

耳がいたくて寒くて 裏切みたいな日暮 公子 伊丹公子の自筆百句選が刊行された(沖積舎)。公子の俳句は、詩に近い。詩集『通過儀礼』」の 「(声) 雨が降り籠めて/その声/どの家から湧いたのかよくわからない/家たちは/歳月のように並んで/雨季の...