076 凩1号 続いて「ひかり」がまいります
077 膝立てて眠れば 前方後円墳
078 牡蠣鍋で口焼く 海が荒れている
079 竪穴式住居のように 蒲団出る
080 電飾のモデル立ちする枯木たち
081 妻に眠剤 目蓋持たない雪だるま
082 洗われて青首大根 公家の貌
083 枯野では僕の肋骨さえ 楽器
084 七星は神のフルート 凍てる街
085 氷溶け 昨日のような今日が来た
086 心電図の波形の乱れ 鯨来る
087 十二月目次のように指を折る
088 雪女 紅差し指を借りに来る
089 大根のひげ引っ張って晴天なり
090 ごま油気化してからの落葉季
091 白菜の産着のように日を抱いて
092 「キタカゼサンスグカエレ ヘンマツ ハル」
093 戦場のようにくきくき葱折れて
094 恐竜の背骨だったか 雪の尾根
095 着水の鴨抱きとめるきらら波
096 枯木星 シャガールの馬繋がれて
097 原人の目となっている 朽木の森
098 裸木にイエスの肋骨あるような
099 夕焚火 くべた生木がキュンと鳴く
100 白に白鎧う灯台 冬の薔薇
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