詩と俳句

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白頭ベイビー

「 おまえは老けたな 」 と隣の奴が囁く。
「 君はまだまだ幼いね 」 と前の奴が隣の子に囁く。

黄色い顔した没個性な群生。
顔の無い群れで奴等は今日も囁きあう。
でも俺はこの場所でこの瞬間を生きるしかない。

老いるスピードは速い。
すぐに白髪頭だ。

31回寝返りうった時、俺の頭は老けていた。
22℃の風に吹かれ、白頭の群れと共に風に乗る。

白髪が抜け落ちるその瞬間、
たくさんの白い赤ん坊は土に返る。

絮たんぽぽ まだ見つからぬ着地点
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SAKURA HILLS

弥生の時 ─ 別れと旅立ち。
卯月の時 ─ 出会いと期待。

半透明で不完全な僕達の体に
映りこんでは消える たくさんの想い。

別れと出会いを手に入れる三分咲きの僕達は
いつもこの丘で人々の行く末を見守る。

散るも咲くも風次第?
きっと風向きなら自分で変えられるはず。

行こう、僕達の存在意義を探しに。
有り余る光に満たされ過ぎて朽ちてゆく前に。

人の世の戦いくたび桜古る
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赤い芸術

アイツが歌うといつも苛立つ。
太陽さえ痛いこの時に
アイツ の声は耳を刺す。
人に怯え、罪を抱いて喚き散らす狂った旋律。

肌色のカンヴァスに
赤と黒が交わりあう
数秒前に殺意を抱く。

カンヴァスにアイツを叩きつけたその瞬間、
生きた死体は絵の具と化す。

太陽の赤借り ピカソのある殺意
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80%の線香花火

伝えたい事がある。
存在理由を知る為に。

最期に見せたい者がいる。
自分という燃える存在を。
100%完全燃焼はありえないのか?

この世に生きた存在を残せたのか?
ちゃんと伝える事ができたのか?

最期に輝く姿を見届けてくれ。
最期のもがきは美しいはずだから。
見ててくれ、最期にそっと輝く瞬間を。

手花火の落ちてそれっきりの闇
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パノラマ・スター

真っ赤な衣装をまとった彼はスター気取りで飛び回る。
道化の赤い口紅を塗った不完全なこの空を。

スターのサングラスは人を虜にする。

僕は彼の追っかけファン。
彼に憧れ彼を追い込む。
彼を捕まえ覗き込む。

スターのサングラスは360度回転しているようだ。
その瞳に映る、逆さまに見え隠れするもう一人の僕。
ギラついたその中で見たスター願望の僕と赤い空。

サングラスの虚像実像雲ない空
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足の体温計

裸足で歩く。
冬の廊下を裸足で歩く。

足で感じる冬の体温。
足で気付く自分の存在。

ふとした事で生きてる感覚を与えてくれる冬の存在。
明日に繋げてくれる温かくて優しい冬。

つま先歩きの床一面の今日の冷え
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