さ行 ──
雑詠
題を決めて詠む句に対して、題を定めないで各自が自由に詠む即ち自由詠の ことで、しかしながら季感を詠み込まねばならない。子規は、雑吟、雑詠の言葉を 用いていた。現在の俳句誌の投句欄は、すべて雑詠とされている。
雑俳
雑俳とは「雑俳諧」のことで、様々な形式による俳諧の総称で、談林俳諧隆盛の 頃から、付け合いの前句付、冠付けや語句を詠む込む折句という形式が現れます。 単純な形式ゆえに、俳諧の修練の場として盛んに、民衆の間で行われた。
三段切れ
句の中に3つの切れがあることをいう。たとえば「目には青葉山時鳥初鰹」(素堂)のなどの句。句の中心がぼやけると共に、つながりも悪いので避けるべきとされる。
字余り
俳句は、五七五の17音の音律で構成されているが、これをはみ出した俳句になること。「夏草に機関車の車輪来て止まる」(誓子)の五八五の18音となっている。
時事俳句
その時に起こった事件や政変などを詠み込んだ俳句。詩情に欠ける難点がある。
字足らず
字余りに対して、17音より少ない音律で構成された俳句。
社会性俳句
昭和28年に大野林火が「俳句と社会性」の特集を組んだことに始まり、俳壇の大きな 運動となった。プロレタリア俳句や新興俳句にもなった。
写生
正岡子規が、画家の中村不折に洋画の技法に習い、対象をありのままに形、色、状態などを写す取る方法を俳句に取り入れ、月並み俳句からの脱却を図った。
十七音量説
臼田亜浪が提唱した説で、俳句の五七五の17音律でなくても、音量即ち五音、 七音を更に分解して3音2音、2音3音2音の組み合わせにより、音量が17なら、俳句性、定型性が保持されるというもの。
自由律
五七五の定型に対して、その律調を自由に表現したもので、単律、長律がある。
河東碧梧桐を中心に新傾向俳句運動として自由律を唱えた。
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