厳選三句

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口をテーマにした俳句(厳選三句)

近山が唇吸い合うや桃の花 耕衣 澁澤龍彦の「幻想の彼方」を読んだ。ルオノ-ルフィニーからゴヤまで絵の幻想性を解説している。この中に、「トロンプ・ルイユ」の一文に興味を引かれた。トランプ・ルイユとは、遠近法の逆説で、画家が遠近法の限界から突破...
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終刊をテーマにした俳句(厳選三句)

枇杷咲いて太陽電池研究所 稔典 「NHK文化教室は、いわば私の拠点だった。この拠点に集まり、わいわいがやがやと俳句を作り、そして、俳句とは何かを考えた多くの友達に感謝する。今、この教室はもっとも充実しているのだが、そのような充実のさなかにこ...
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エロスをテーマにした俳句(厳選三句)

夜桜を産みたき処女と手を繋ぐ 桂 やたらとライトアップなどして、夜桜もこの頃は、観光化して趣がなくなってきた。嘗てのぼんぼりの薄明かりに照らされる桜の方が好きだ。むしろこの句の場合、灯りのないところに桜だけが、薄ぼんやりと浮かび上がって、後...
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BS俳句をテーマにした俳句(厳選三句)

指揮するは風です土筆の合唱団 砂穂 この句を詠んで、金子みすヾの童謡の一節のように思えた。たとえば、「土と草」と題した童謡では、かあさん知らぬ/草の子を、/なん千万の/草の子を、/土はひとりで/育てます。 /草があおあお/しげったら、/土は...
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鳥雲をテーマにした俳句(厳選三句)

トルソーの内なる声や鳥雲に 純 トルソーはイタリア語で、人体の躯幹・胴を意味しふつう彫刻では、手・足・頭を欠いたものをさす。それは19世紀以前には、欠けた不完全な形で発掘された古代彫刻や人体部分として存在していたが、19世紀後半からトルソー...