厳選三句

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色をテーマにした俳句(厳選三句)

黒船の黒の淋しさ靴にあり 幸彦 デザイナーのソニア.リキエルが自著の中で、<黒という色は淫らな色だ...もしそれを着こなせたら。><心の平安を乱す強烈な黒。...絶対的な黒。印象的で、独特で、華麗で、衝撃的で、それはまるでふたつの瞳だけしか...
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三月をテーマにした俳句(厳選三句)

いきいきと三月生る雲の奥 龍太 龍太は、この句の自句自解文で「棚田の洫(井出)の芹が青み、まだ芽ぶかぬながらもこころもち潤みを持った檪の高枝で頬白が囀りはじめる三月の雲の白さは素晴らしい。(後略)」と書いている。昭和28年の作だから、龍太の...
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祝をテーマにした俳句(厳選三句)

もし鴎なら セーヌ飛ぶ 黄河飛ぶ 三樹彦 師、三樹彦の第3回「現代俳句大賞」の受賞が決まり、3月29日の現代俳句協会の総会で表彰されることになった。三樹彦は、十三歳(昭和8年)より俳句を始めた。当初は岩田笛秋の俳号であり、昭和12年に、現在...
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足をテーマにした俳句(厳選三句)

春暁や足で涙はぬぐえざる 美秋 この句に、作者の背景を知らないで詠めば、いわゆる俳句のパターンの一つである当たり前のことを意味を持たせるごとく言う「牛は足が四本で野菊が咲いていた」(中塚一碧楼)のように思える。しかし、美秋は筋萎縮性側索硬化...
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梅をテーマにした俳句(厳選三句)

勇気こそ地の塩なれや梅真白 草田男 この句に、最初に出会った時、何だか意味が解からなかったが、妙に惹かれた。意味の読み取れなかったのは、勇気が何故、地の塩なのかという疑問だった。後に草田男の自句自註─(『地の塩』は『信仰者』を指している。(...