厳選三句

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魂をテーマにした俳句(厳選三句)

たましいを秤るや黴の花の中  朱鳥 虚子に「曩に茅舎を失ひ今は朱鳥を得た」と賞賛された朱鳥は、中学時代に胸を病んで以来、生涯病弱だった。昭和二十七年には「菜殻火」を創刊して、生命風詠をめざした。そんな朱鳥だから、句集「愁絶」に見られる“つひ...
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地球をテーマにした俳句(厳選三句)

マリが住む地球に原爆などあるな 白泉 白泉は西東三鬼ら親しく付き合い「京大俳句」に会員に推された。だが、昭和十五年に当時の治安維持法にひっかけられ、平畑静塔以下主要会員の一次検挙に続いて白泉も第二次検挙された。当時の句に「三宅坂黄套わが背よ...
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闇をテーマにした俳句(厳選三句)

花火待つ花火の闇に脚突き挿し  鷹女 鷹女は闇を粘性のある液体のように捉え、脚を突き挿すという感覚で表現したのであろう。また闇の中でも、花火を待つ闇はことさら、美しくそしてやがて崩れる儚いものが感じられる。だからこそ、その闇を強調するため敢...
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母をテーマにした俳句(厳選三句)

母や碧揚羽を避くるまでに老い  耕衣 耕衣には父や母ばかりを詠んだ句集「梅華」がある。それほど、父母に対して絶えず優しく視線を送っていたのであろう。「朝顔や百たび訪はば母死なむ」に代表されるように、母を詠んだものに佳句が多い。さて、この句は...
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水をテーマにした俳句(厳選三句)

愛されずして沖遠く泳ぐなり  湘子 時代は移り変われど、初恋の頃の、あの高揚して胸がドキドキする感覚は変わらないと思う。最初は先生だったりするのだが、にきびも出始めた頃には、異性の特定の人を想い慕い、現実的な恋に落ちる。この句の場合は、愛さ...