厳選三句

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時間をテーマにした俳句(厳選三句)

はるかまで旅してゐたり昼寝覚  澄雄 夏はその暑さの故、身体が疲れてだるくなり、ごろんと昼寝して体力の回復に努める。しかし、澄雄は現実とはかけ離れた世界を詩的に読み込んでいる。はるかまで旅していたと書いているが、たぶん芭蕉に傾倒して澄雄のこ...
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無季をテーマにした俳句・その2(厳選三句)

沖に/父あり/日に一度/沖に日は落ち  重信 この句は、九州の天草を詠んだいる。茫漠と広がる海を見て、その沖に父の姿を据え、更に天草の沖を真っ赤に染める落日を重ねている。それは、天草の西南に日本人の祖先が渡って来たであろう地を思い描いている...
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無季をテーマにした俳句(厳選三句)

不眠症魚は遠い海にゐる  三鬼 眠れない夜は、いつの頃からか羊を数えたら眠れると聞かされた。これは日本人には縁の無い、まじないと知った。英語で羊が「sheep」眠りは「sleep」とを掛けた、単なる語呂合わせの産物だった。三鬼はこんな俗な風...
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猫をテーマにした俳句(厳選三句)

百代の過客しんがりに猫の子も  楸邨 書き出しの百代の過客は、松尾芭蕉の奥の細道の「月日は百代の過客にして、行きかふ年もまた旅人なり」の冒頭文を引用している。楸邨自身も芭蕉以来の道統の継承者として、たびたび奥の細道を旅している。さて、百代の...
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種をテーマにした俳句(厳選三句)

ものの種にぎればいのちひしめけり  草城 句集「花氷」(昭和2年刊)より掲出した日野草城氏の句。物の種は花の種に限らず、春に蒔く野菜や穀物の種を総称していう。種を蒔きやがて芽吹いて、開花、収穫の喜びを得る。太古の住居跡から貝殻などに混じって...